インプラント
当院におけるインプラントへの取り組み
「第二の永久歯」ということで、日本においてもインプラントが一般の人にも認知されるようになっています。歴史を紐解くと、インプラントのアイデアがこの世に出てきたのは、紀元前2世紀から3世紀の古代ローマまで遡れます。
ただ、現在のインプラント治療としての基礎が出来たのは、1962年になります。スウェーデンの学者が、微細血流の研究のため、ウサギの骨に「チタン製」器具を埋め込んだ実験を行っていたところ、チタンと骨が強く結合する現象を発見し、そこからヒトへの応用へと発展したのです。
実際にヒトへの臨床実験が始まったのは、1965年頃からで、その後1980年代には安全性も認められ、失った歯を補う治療の1つとして、世界中に広まっています。
そういった意味では、インプラントが製品として登場してから、すでに40年が経過しており、治療法としても成熟していると言えます。
当院でも「入れ歯」や「ブリッジ」ではなく、インプラントをご相談頂くケースがあります。
天然歯と変わらない見た目、噛み心地は、確かに魅力的です。
入れ歯の場合は、天然歯の3割程度のチカラでしか噛めませんが、インプラントは骨に固定するため、9割程度のチカラで噛むことが出来、「食事が楽しくなった!」と言われる患者さんも多いです。
ただ、インプラント治療は保険外診療(自費診療)となるため、経済的な負担は確かに大きくなりがちです。
そのため、費用的に難しいようであれば、無理をしてインプラントにされるよりは、他の治療法をお勧め致します。
費用とリスクと利便性を秤にかけて最終的に「インプラント治療」を選択される際には、定期的なメンテナンスの重要性が高いのもインプラントの特徴ですので、無理なく通えるところを選ばれるのが良いでしょう。
インプラントとは
現在、治療後10年以上たってもインプラントが残存している確率は96%以上、20年以上は約90%と報告されています。
逆に言えば、インプラント治療には、数%のリスクがどうしても伴ってきます。その原因としては、施術後の定期的なメンテナンスを行わなかったというものもあれば、ご本人の体質や生活習慣によるものもあります。
インプラント治療によるメリット・デメリット
1.入れ歯のような取り外しの煩わしさから解放される
2.入れ歯やブリッジに比べて、より天然歯に近い感覚で噛むことができる
3.ブリッジの場合、両隣の健康な歯を削らなければなりませんが、インプラントの場合は削らずに固定された人口の歯を入れることができる。
4. 味覚や発音がより自然な状態に近くなる
5.見た目もよく、自然な仕上がり
1.保険外診療のため、高額である
2.外科手術なので、術後に腫れや内出血があるため、休養期間が必要になる
3.体質、体調などにより、手術は上手くいっても、術後に骨とインプラントの結合に問題が出る場合がある
4.埋入後、定期的な検診・ケアが重要で、継続的な管理が必要になる
インプラント治療の流れ
まずは、インプラントが可能かどうかの診査
歯ぐきの粘膜を切開し、顎の骨にインプラントを埋め込む
3.2~6か月、顎の骨とインプラントが、しっかり結合するまで待つ
4.土台となる部分をインプラントと連結(2次手術)
インプラントの上に、人工歯の土台を取り付ける
5.型どり
歯型をとり人工歯を製作する
6.人工歯の装着
土台に、制作された人工歯を装着する
7.定期的な検診・アフターケア