歯周病治療
歯周病って何?
簡単に言えば、歯を支える歯ぐき(歯肉)や骨(歯槽骨)が壊されていく病気です。
歯と歯ぐきの間に入り込んだ歯周病の原因菌を含むプラーク(細菌のかたまり)によって炎症が起こります。
「むし歯」は歯そのものが壊されていきますが、「歯周病」は歯を支える組織が壊されていくのです。
歯を失う原因は、「むし歯」が30%に対して、「歯周病」はなんと51%になっており、実は「歯周病」の方が厄介なことが多いのですね。
(全国抜歯原因調査2005年より)
30代から徐々に増加がみられ
日本人の40歳以上の約8割がこの病気に罹っていると言われます。
日々の生活習慣が歯周病の危険性を高めることから、生活習慣病のひとつに数えられている程なのです。
「なぜ歯周病になるの?」
*清掃不良・・・・・・・・歯こう、歯石
*喫煙・・・・・・・・・・血行障害を起こし口の中の抵抗力が弱ります。
*歯ぎしり、食いしばり・・無意識のうちに過大な力が加わることで歯を支える骨に負担がかかります。
*糖尿病、ストレス、片寄った食生活、薬剤服用
などがリスクファクターとしてあげられます。
「歯周病の怖さ」とは?
さらに怖いのは、症状が悪化すると口腔内だけで終わらないことです。
歯周病により発生した「毒素」が体内に取り込まれることにより、様々な悪影響を与えうるとの研究結果が近年数多く発表されています。
・心疾患
・糖尿病
・気管支炎、肺炎
・脳卒中
・早産、低体重児出産
よって歯周病の予防や治療は、全身の様々な病気の予防や治療に役立つことにもなり、健康な生活を送るためにとても大切なことなのです。
私、歯周病かも!?
・歯磨きなどで歯茎から出血する
・口の中がネバネバする
・歯茎(歯肉)が腫れている
・歯茎(歯肉)が赤、もしくは紫色になっている気がする
・硬いものを噛むと痛みがある
・歯がグラグラする(舌で押せる)
・歯に物が挟まりやすくなった
上記に心当たりがある方は、歯周病の可能性があります。
口臭や歯茎の変色などは社会生活において大きな支障が出てきますので、ぜひ一度、歯のお掃除がてら検診に来てください。
施術方法、器具、装置の紹介
1. 歯周ポケット検査
プローブという器具を使って歯ぐきの中の状態を調べます。
2. 歯ぐきの出血検査
3. 歯の動揺度(歯の揺れ)の検査
調べたい歯をピンセットではさんで動かし、そのときの動く状態によって歯周病の進行度を調べます。
4. X線写真検査
直接見えない部分を調べることができます。
歯を支える骨の状態や歯石が付いているかどうかなどを確認することができます。
歯周病はどうしたらなおるの?
そしてセルフケアとプロフェッショナルケアにより治していきます。
*セルフケア(毎日ホ-ムケア)
①歯ブラシとデンタルフロスや歯間ブラシの使用
今までの歯ブラシの仕方に問題があるかもしれません。
指導を受けて適切な方法や清掃用具を使いましょう。
②生活習慣の改善
喫煙、食生活、ストレスなど
*プロフェッショナルケア(定期的にプロケア)
①ブラッシング方法や生活習慣改善のアドバイス
②プラ-クや着色の除去
歯ブラシだけでは落とせなかった汚れを取り除きます。
③超音波による歯石除去
大量についた歯石に振動を与えて一気に取り除きます。
④手作業の器具による細かな部分の歯石除去
深いところや狭い部分についた歯石を丁寧に取り除ききれいにします。
⑤噛み合わせの調整
⑥不適合な被せものなどのやりかえ
⑦歯の固定や外科処置など
歯周病治療の基本的な流れ
歯周病検査(歯周ポケットの測定、歯ぐきの出血検査、歯の揺れ検査)、
レントゲン撮影などを行います。
↓
2. 歯に付着した歯石(細菌)を取り除きます。
↓
3. 改善具合を確認するために再び歯周病検査を行います。
↓
4. 改善が見られない部分はさらに深い部分の歯石を取り除きます。
改善するまで③④を繰り返します。
状態によっては外科的な治療を行う場合もあります。
歯周病は長い期間を経て進行したものなので治療には相応の期間が必要です。
根気よく治療を続けましょう。
また治療後の良い状態を維持するためには、歯科医院での定期的なメインテナンスと毎日のセルフケアが大切です。