一般歯科(むし歯治療)
当院のむし歯治療への取り組み
「ミニマルインターベンション(M.I.)」という言葉をご存知でしょうか?
歯の治療において、歯質や歯髄への犠牲を最小限に抑え、本当に悪くなったところだけを削除して修復する治療法です。
現在歯科界では、2000年『国際歯科連盟』によって提唱された『M.I.』の治療法が大きく浸透してきています。
出来るだけ歯を削らず、出来るだけ神経を取らず、生まれもった歯を出来るだけ残して、歯の寿命を長くすることをコンセプトとしています。
当医院もこの概念に沿った診療を心がけております。
施術方法、器具、装置の紹介
1. 虫歯検知液(カリエスチェック)の使用
むし歯の構造は細菌感染が著しいう蝕象牙質第1層(外層)と細菌感染がわずかで再石灰化可能なう蝕第2層(内層)からなっています。
この第2層は保存し、第1層のみを取り除くことにより歯に与えるダメ-ジを最小限にすることができます。
見た目ではこれらをはっきりと区別することが難しい為、当医院では「カリエスチェック」という虫歯検知液を使用しています。
この薬剤は第1層のみを染色するようになっています。
再石灰化可能なう蝕象牙質第2層を残し、染色された本当に悪い部分だけを削るため、削る部分を最小限に抑えることができます。
2. 回転切削具MIバーの使用
歯を削る処置において、
MIの実践をより容易にするために考案されたバー(歯を削る機械の先につけるヤスリ)で、マイクロプレパレーションバーともいわれています。
このバーのポイントは、狭い虫歯の穴にバーを挿入しても、状況を目で容易に確認することができるよう工夫されています。
・MIダイヤモンドバー
実際に削る先の頭の部分を可能な限り小さくし、またネック部分が細くなっているため小さな溝の虫歯や壷状の虫歯に対して、削るときの自由度が増し、最小限の削除量になるようになっています。
・MIスチールバー
虫歯で軟化した歯質の除去に適したステンレス資材を採用することで、正常な歯質の切削を抑え、軟化した部分だけを選択的に除去できます。
ネック部分が細く長くなっているため虫歯部分が目視しやすく、必要以上に削る力がかからないため最小限の削除量になるようになっています。
3. 手用切削具スプ-ンエキスカベーターの使用
回転切削具により効率的に第1層の切削を行なった後、
MI専用に開発された先端がスプ-ン状の非常に小さな器具を用いて染色された本当に悪い部分だけを手で丁寧に、慎重に取り除いていきます。
このスプ-ンの直径はわずか0.7mmで必要最小限の削除を可能にしています。
他にも1.0mm、1.3mmがあり、症例により使い分けて処置をします。
4. 拡大鏡の使用
可能な限り健康な歯質(エナメル質)や、再石灰化可能な歯質(象牙質)を残すために拡大鏡による精密な治療を行い、注意深く確認しながら処置をします。
5. 痛みの少ない麻酔
麻酔の痛みというのは、主に2つあります。
1.針を刺す時の痛み
2.薬液を注入する時の痛み
麻酔の必要な患者様にはコンピューター制御の最新の電動注射器「アネジェクト2」を使用します。
流れとしましては、まず表面麻酔薬(ゼリー状)を用い、麻酔の針を刺す場所を麻痺させます。
その上で、「アネジェクト2」を使用するのですが、この時使用する麻酔針は、33ゲージというサイズの世界最小注射針で、針が刺さる痛みを感じにくく作られています。
そして、麻酔薬が入るスピードをコンピューター制御によりコントロールし、歯ぐきの硬さに合わせた注入圧が自動的に調整されます。
さらに、麻酔液は事前にウォーマーで体温程度に温めていることと、歯肉の部位による痛覚の違いを考慮した刺入を行いますので、いつ注射をしたのかおわかりにならないほどだと思います。
抜歯
問題がある歯を抜歯すべきか、それとも残すべきかは、様々な局面で歯科医師を悩ませます。
抜歯するかどうかを決める際には、該当の歯が口腔内に及ぼす影響についてを総合的に判断しなければならないからです。
我々歯科医師としても、まずはできる限り残す方向で考えます。
しかし、残すことによりその歯やまわりの健康な歯に悪影響を与える可能性が高いと判断した場合には、抜歯すべきという判断をお伝えしています。
抜歯は抜いて終わりではありません。(親知らずの抜歯を除く)
「抜歯した後、その部分をどうするのか?」ということも考える必要があります。
現在の歯科医学の中では、抜歯後には入れ歯、ブリッジ、インプラントという選択肢があります。
このうちどの処置を行いたいか、どのような治療ゴールを目指すのか、ということによって、抜歯の基準というものも変わってきます。
インプラントであれば、骨がなくてはいけません。
該当の歯が明らかに骨に対して悪影響を与えていることが確信できる状況であれば、早期の抜歯により、骨の保存を優先した方が良いでしょう。
ブリッジの場合、歯茎のへこみを気にしなければ、出来るだけ歯を残すことが出来ます。
しかし、同じブリッジにしても見た目を気にされる場合は、歯茎に凹みが出ず、骨が無くなる前に抜歯することをお勧めすることになります。
「将来的に入れ歯でも構わない」ということであれば、抜歯を出来るだけ避けることも可能になります。
ただ、その影響で隣の歯を支えている骨に支障が出てしまい、入れ歯の時期が早くなってしまうという結果にもなりかねません。
このように、「抜歯」の基準には幅があり、歯科医師でも判断が異なることは珍しくないのです。
当院では、数多くの症例を見てきた歯科医師としての判断を申し上げた上で、患者さんとじっくりお話をし、ご納得頂いて初めて抜歯を行います。
いきなり抜いたりはしませんので、どうぞ安心してご来院ください。
歯科診療の流れ
1.受付・問診
受付にて問診票をお渡し致します。
現在のお口の症状や全身疾患、服薬状況などを、安全に治療を進めていく上での参考にさせていただきますので、お手数をおかけしますがご協力をお願い致します。
~応急処置~
「痛みや腫れがひどい」「詰め物が取れて咬めない」など、早急な対処が必要な場合は、応急処置を行います。
症状がつらいときは遠慮なくお申し付けください。
2.初診カウンセリング
皆様の歯科治療に対するご希望・悩み・心配事などをおうかがいし、治療・予防の手順をご案内させていただきます。
3.検査
お口の症状には必ず原因があり、それは痛みが出ている箇所だけにあるとは限りません。
お悩みの症状を改善しただけでは原因は除去できず、根本的な解決にはなりません。
まずは現状を出来るだけくわしく把握する必要がありますので、必要な検査を行なわせていただいております。
(患者様個々で必要な検査項目は異なります。)当院では患者管理ソフトを用いて、患者様の検査内容を管理しております。
4.検査結果のご報告と治療計画のご相談
検査結果に基づき、患者さんのご要望もうかがいながら治療計画を立てていきます。
患者さんの意に沿わない治療をすることはありませんのでご安心ください。
5.歯周病治療、歯ぐきの状態を整える
本格的に治療を開始する前に、歯周病の治療(歯石除去、歯ぐきのお手入れ)を行います。
歯ぐきの状態をより良い状態にし、お口の環境を改善することにより治療の効果も高くなります。
6.むし歯、咬み合わせ、入れ歯などの修復・機能回復治療
歯周病の治療が終了したら、治療計画に沿って、本格的な治療を開始します。
治療内容等をあらかじめご説明させていただいた上で行っていきます。
7.メインテナンス・予防
お口の健康が回復したら、ご家庭でのホームケアと定期的な歯科医院でのメインテナンス(プロフェッショナルケア)の両立で良い状態を維持していきましょう。